COLUMNコラム
コロナウイルスの影響で中止、縮小傾向にあったフェスですが、今年は再開傾向にあります。盛り上がりを見せるフェスのなかでも人気のテーマのひとつが食べ物。老若男女、多くの方の集客を見込める「食」フェスですが、開催するにあたって、成功に欠かせない秘訣とポイントをイベントのプロが解説します。
音楽、アート、アクティビティなどさまざまなテーマのフェスがあるなかで、食べ物のフェスは、ほかのテーマと比較すると、特に集客力が高いテーマです。家族や友人、知人、パートナーらを連れ「とりあえず行ってみるか」と気軽に足を向けやすいテーマだからといえるでしょう。
どういったターゲットをフェスに集めたいのかを明確にすれば、
が決まります。
たとえば、子連れのママをターゲットにした場合、アレルギー食材の提示は必須となるでしょうし、簡易的な授乳室の設置、子どもが遊べるスペースの設営などが望まれるなど大まかな形が見えてきます。
仮に採算度外視で、集客目的やプロモーション目的のフェスであっても、売上目標は決めておくべきでしょう。売上目標を設定しておけば、ほかの目標が設定しやすくなります。
売上達成に向けて現場スタッフのモチベーションを保てますし、売上目標金額から逆算して商品価格の設定や、客数目標なども決めやすくなります。加えて、開催後にフェスが成功したかの判断材料となります。
フェスを成功させるには、「何を」するのかと同様に「どこで」開催するのかも重要です。
アクセスの良さは集客にとって大きなメリットとなり得ます。普段からフェスの会場として利用されている場所なら、電気、水回りなど、フェスに必要な機器、設備が充実しています。一方で音量制限ほか、制約となる条件や条例がある場合もあるため、テーマに合わせて慎重に調査しましょう。
万全を期したつもりでも万一、食中毒などの事故が起こってしまう可能性もあります。そこで、イベントを主催する際は事前に行事開催と臨時出店の届出を保健所に提出する必要があります。提供可能な食品や取扱いの制限などもあるため、事前に出店地を管轄する保健所に確認しておきましょう。
これらの手続きが煩雑、面倒だと感じる場合は、あらかじめイベント運営会社に協力を仰ぎ、これらの事務的な手続きをお願いしておくと安心です。
特に「食」のフェスとなると、冷蔵、温蔵機器や照明に利用する電気設備、さらに手洗いなどで必要となる水回りの手配が必須です。電気設備を用意、手配するにあたって、あらかじめ出店する各飲食店の必要機材と必要電圧を把握しておく必要があるでしょう。
また、想定される来場者数に応じたトイレの設置も求められます。なお、最近ではフェスに設置する仮設トイレも、さまざまな種類が用意されており、水洗や洋式、男性の小専用トイレもあるほか、バリアフリーのトイレなどもあります。
会場選びに関わりますが、場所によっては駐車スペースの手配と当日の交通整備なども必要となってくるでしょう。
また、フェス開催で最も注意したいのが近隣対策で、騒音やゴミなどへの対応のほか、開催エリアの法的な規制などにも留意しておかなければなりません。
これらへの技術的な対策はもちろんのこと、近隣住人へあらかじめ説明会を設けるなどして、開催の理解を得られる努力を継続的に行うことも、トラブルを避けるのに効果的な方法といえるでしょう。
フェスを開催するにあたっての告知方法ですが、ここでも重要なのは「誰を」呼ぶのかです。ターゲットに沿った告知方法で集客の最大化を図りましょう。
SNSの強みは投稿の拡散性の高さで、投稿にハッシュタグを付けたり、「いいね」やリツイート、リグラムなど他ユーザーへの再投稿で、より広い範囲のユーザーにフェスを告知できる点にあります。同時にSNSの広告配信機能は、集客したいターゲットに対して無駄なく効果的な広告配信ができることも魅力といえます。
特に若年層をターゲットとするならば、それらの層の利用頻度の高いSNSに合わせた発信を心がけましょう。
年配層の方へはチラシが効果的です。また地方においては、特定の地域に集中した情報発信ができる、短期間で特定地域に情報拡散や集客効果を狙えるチラシはコスト面から見ても効果的といえます。 受け取った側が破棄しない限り、何度も情報を読み返せるというのもチラシのメリットです。
ここまで、「食」フェス開催までの工程のなかで重要なポイントを抜粋して説明しましたが、開催までには煩雑な手続き、専門的な調査なども必要となるため、初めての方、失敗なくフェスを開催したい方は、プロの力を借りるのが現実的です。ここでは、プロが手がけて成功した「食」フェスの事例をご紹介します。
2018年、新宿・大久保公園の特設会場で開催された「大つけ麺博」は、全国から集められた50弱の有名店が、約1か月という長期間にわたって、日本一のタイトルをかけて競い合いました。これまでの来場者数の累計は100万人以上にのぼり、のべ150万食以上のラーメンを販売した国内でも屈指の人気イベントです。
性別も選ばず、幅広い世代に愛されるラーメンはフードイベントとしても人気のコンテンツで、年間100弱の数のフェスが開催されています。そんななか、同フェスは、ほかでは平均800〜900円/1杯する価格を、全店共通で1杯500円で提供。その分、1杯の量を従来のフェスで提供する量の6割程度に抑えました。
「ワンコイン」というキラーワードが集客につながるほか、量を少なくして、女性や小さなお子様などでも無理なく1杯を楽しめる、2店舗、3店舗と複数のラーメン店で食べられる機会を設けるなどの副次的な効果も相まって、来場者の満足度の向上に寄与しました。
老若男女、多くの来場者を見込める「食」というテーマは、競合となるフェスも多いため、ほかとの違いを明確にすることで、ターゲットの興味関心を引く必要があります。そうはいっても、差異化を図るのは簡単ではありません。
フェス内容、テーマでの差異化が難しい場合、ユーザビリティの向上で他と差をつけるという方法もあります。例えば、株式会社ABALとTSP太陽が共同で開発したWebサービス「コンパス」は、イベントを楽しむために役立つ情報や、チケット・グッズ販売・飲食のモバイルオーダーなどの機能を、1つのプラットフォームに集約して提供できます。フェスの参加ユーザーは「コンパス」にアクセスすれば、イベントのインフォメーションや会場マップ、読み物やライブ配信といったコンテンツから、会場でグッズを購入できるEC機能や飲食のモバイルオーダー、チケット発券といった決済まわりのことまで、同一サイト内で完結できるため、顧客満足度の向上に繋がります。同時に、主催者側は売上データや来場者データなどをワンストップで管理できます。
このようにTSP太陽では今回紹介した事例のほかにも、「激辛グルメ祭り」など多くの人気コンテンツの企画から運営までの実績があるほか、関連する便利ツールなどもご用意しています。フェスでお困りごとがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。