COLUMNコラム
自社商品を顧客に知ってもらうのに不可欠なプロモーションですが、具体的にどんな施策をするのか理解していない方も多いと思います。企業の収益増大の根幹を成すプロモーションはマーケティングにおいて重要な施策です。今回はこのプロモーションについて一から解説したいと思います。
マーケティングでよく耳にする「プロモーション」という言葉。なんとなく理解しているつもりでも、いざ、「プロモーションやっておいて」と言われて何をして良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。ここではまずプロモーションとは何か、基本的な部分から解説します。
英語のPromotion(プロモーション)は、「昇進」や「促進」などの意味を持ちますが、マーケティング用語として用いられる場合のプロモーションは、商品の販売を促進するための一連の活動を指します。
プロモーションはマーケティングのフレームワークである4P(マーケティングミックス)の商品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、場所(Place)のうちのひとつで、商品の需要を喚起するための重要な施策となります。
PR(Public Relations)と混同されがちですが、プロモーションが商品の販売促進を主眼にした活動の総称なのに対して、PRは顧客との双方向のコミュニケーションで持続的な信頼関係の構築を目指す活動で、プロモーションの一部として位置づけられています。
商品の認知度を高め、需要を喚起し、顧客に購買や利用を促すことを目的として行われるプロモーションにはさまざまな手法があります。ここでは主要な手法を解説いたします。
有料メディアを通じて自社商品を広く宣伝する広告については、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌のほか、近年はインターネットを介したメディアを利用し、メッセージを配信する方法があります。このプロモーションの特徴として、他の手法と比較して膨大な視聴者や読者に対して一斉に情報を伝えられます。
カタログやマニュアル、情報誌、会報誌、雑誌を含む書籍などを指します。制約が緩やかなため、正確かつより具体的に情報を発信できる一方で、顧客に興味を持ってもらうためのセンスや相応のクオリティが求められます。
自社HP上での情報発信も効果が見え辛いですが、今後はX(旧・Twitter)やYouTube、InstagramなどのSNSツールの活用がより重要視されるでしょう。留意すべきはターゲットがどのSNSを活用し、どんなコンテンツに興味を示すかといった事前のリサーチです。
Point Of Purchaseの略で、店内に展示されるパネルやカード、ポスターなど顧客が商品を購買する場で行われる広告です。顧客に購買してもらうための最後の一押しをする役割を担います。
プロモーション用のイベントの場合、展示会やポップアップストアなどで体験、経験してもらうことで、商品に愛着をもってもらうことが重要です。イベント参加者に直接アプローチをすることで、商品の特徴や魅力をしっかりと伝えられることもメリットの一つです。
買い手の購買意欲を刺激し、購買を促す活動の一つです。例えば、電車やバスなどの交通広告、デジタルサイネージや看板などの屋外広告、折込チラシ、DMなどを指します。テレビやラジオ、新聞、雑誌などのマス広告と比較して、低コストで実施できますが、SNS同様にターゲット層と相性が良いツールを活用していくことが大事です。
販売担当者が顧客へ直接、商品を説明し、購買を促す手法です。双方向コミュニケーションを通じて、顧客の疑問や関心に対応し、商品の利点を強調します。特に高額な商品や複雑な内容のサービスのプロモーションの際に有効な手段です。
メディアリリースや記者会見、対外イベントなどを通じてオープンに情報を公開し、組織やブランドのイメージ構築やメディアとの関係構築を図ることで、好意的なメディア露出を得ることを目指すものです。
リスト化されている既存の顧客に対し、個別かつ直接的に情報を送り、販売を促す手法です。ダイレクトメール、電子メール、テレマーケティング、ダイレクトレスポンス広告などの活用が一般的です。
各種プロモーション手法を理解したら、次はプロモーションを実施するまでの工程を確認したいと思います。ここで紹介する7つの工程はいずれも重要ですが、同時に順番も重要となってくるので順を追って確認してみてください。
具体的かつ誰から見ても明確であるよう、目標は数値で設定することが重要です。なお、設定する数値は、リソースや予算、市場の状況などを考慮しながら、現実的に達成できる目標を設定する必要があります。
市場分析は経験値や感覚値を挟まず、市場調査レポートや業界の統計データなど客観性と信頼性の高い情報源を指標にしましょう。また、自社の市場における立ち位置を把握するには、SWOT分析(「強み(Strength)」「弱み(Weakness)「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4項目に整理して分析すること)などのフレームワークを活用するのも効果的です。
次にターゲットに向けて発信するテーマ、メッセージを作成します。作成のポイントは、自社が伝えたいこと以上に、ターゲットのニーズに沿った形での商品の特徴、価値を伝えることが大事です。
上記の5つのプロモーション手法の中から、ターゲットの属性や市場動向、目標などに合わせて、最も効果的な手法を選択します。
予算は、選択したプロモーション手法で支払う実費のほか、目標数値や戦略を達成するために必要な金額を計算する必要があります。予算との調整も重要ですが、何をして、何を達成したいのかということが決定したのちに総合的に鑑みて決定したい内容です。
プロモーション活動にかかる各タスクが適切なタイミングで実施されるよう設定しましょう。同時に、任意の時間で区切り、各タスクの効果を評価する指標も設定しておき、常に目標を意識できるようにしておきましょう。
プロモーション実施期間中はもちろん、実施後も効果測定をすることで今後の課題や新たな商品戦略が見えてきます。効果測定の方法としては、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)が広く知られています。
KGIとは企業の経営戦略やビジネス戦略といった目標を達成するために、何をもって成果(=ゴール)とみなすのかとする指標のことです。一方で、KPIは業務のパフォーマンスを計測・監視するために置く指標で、KPIの達成状況を確認することで、目標までの進捗を把握することを意味します。つまり、KPIとはKGIの中間指標として用いられます。
プロモーション手法の中でも特に手間がかかり、経験値も必要とされるのがイベントです。TSP太陽ではこれまで、多くのイベントに関わってきましたが、その中でも特徴的なプロモーションイベントを紹介します。
同イベントは、2017年の「全国都市緑化よこはまフェア」開催以来、横浜の街を舞台に美しい花と緑をネックレスのようにつなぐ「ガーデンネックレス横浜」プロジェクトの一環。みなとエリア(都心臨海部)、里山ガーデンをメイン会場とし、全市の取り組みとして 18 区でさまざまな花や緑の取り組みを実施するものです。
TSP太陽が手掛けたのは、2023年3月25日〜5月7日までの期間、横浜市内にある里山ガーデン内で開催されたもの。9割が横浜市内産という花苗を使った市内最大級10,000㎡の大花壇や、アンバサダーの三上真史氏が監修したウェルカムガーデンには、県内はもとより、遠方からも多くの来訪者を集め、イベントに花を添えました。同時に、里山ガーデンフェスタの期間外においても、公園の魅力を多くの方に伝えることに成功しました。
同イベントは中心市街活性化を目的とする「浜松まちなかにぎわい創出事業」の一環として2023年7月28日〜8月13日の期間、静岡県・浜松市の松菱百貨店跡地で開催。オープンエアーのもとで、樽生のドイツビールや美味しいドイツ料理を堪能できるものです。
TSP太陽は、15年以上空き地になっている松菱百貨店跡地を会場として活用し、地域活性化を目的に集客施策を実施しました。若年層などを積極的に取り込むため、イベント情報や会場内で使えるクーポンなどが当たるキャンペーンをスマホからいつでも閲覧できる公式WebサイトやSNSで随時発信。だれもが、いつでも、気軽に参加できる仕組みを構築し、集客に繋げました。
自社の商品を多くの方に知ってもらう上で、プロモーションの果たす役割は計り知れません。なかでもイベントは多くの人に知ってもらう、体験してもらうという点でプロモーションの中でも大きな効果が期待できます。一方でイベントを成功させるには、経験値が必要となってきます。TSP太陽ではこれまで大小さまざまな規模のイベントを開催してきた経験があります。イベントを開催したいけど、何をしたらいいかわからないというご担当者の方は、当社へお気軽にご相談ください。