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PROJECT実績紹介

「本物の伝統芸能」の世界観を伝える内装

水戯庵

東京都中央区日本橋室町、2010年代前半の都市開発によって生まれ変わった新しい街。近代的なビルとビルの狭間で厳かに佇む「福徳神社」と、それを鎮守する「福徳の森」の地下に「水戯庵」はある。

水戯庵は「秘密裏におこなわれる夢の宴」というコンセプトの元で、2018年にオープンした劇場型レストラン&ラウンジ。2021年11月現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から臨時休業中だが、コロナ禍前は、毎日毎夜、能や狂言など本物の伝統芸能を間近で感じながら、お酒や食事、お茶や甘味が楽しめる”大人の社交場”として、エグゼクティブや旅行者に特別な体験を提供していた。

 

細部にまでこだわりぬいた上質感

「リアルジャパン」を何よりも大切にし、食器も江戸・明治・大正期の時代物の器を使うという徹底ぶりだが、さらにイタリア・フランスの伝統家具を見事に融合させ、瀟洒な内装が唯一無二の世界観を形作っている。

「建物ではなく内装のご依頼でした。もちろん業務範囲は内装計画から提案、設計、制作、施工まで。水戯庵 主人の木村英智さんとは、展覧会『江戸桜ルネッサンス』や『アートアクアリウム 金魚シリーズ』において、数年に渡って会場計画・内装施工などを担当させていただいたご縁もあって、お声がけいただきました」(TSP太陽 制作担当)。

能舞台の施工には細心の注意

古来より受け継がれる伝統芸能・伝統工芸・文化にこだわり、本物に囲まれながら「食」「芸能」を堪能できる空間。来店者すべてにその世界観を伝えられるよう、内装設計はもとより、建具の取っ手選びひとつから調度品の見せ方、そして仕上げ素材など、細部にわたる部分まで選び抜いた。特に、来店者の注目を一点に集める”主役”である能舞台の設計・施工には細心の注意を要した。

「能舞台の鏡板には、江戸時代に狩野派が描いたといわれる貴重なものを移設しています。この鏡板は、もともと京都室町夷川にあった観世流能楽師片山家、京舞井上家ゆかりの舞台で使われていたという歴史深いものです。慎重に扱うことはもちろん、どのように設置すれば最も美しく映えるのかなど、綿密な計画を立てて設計・施工を行いました」(同担当)。

運営業務構築も担当

また、TSP太陽はオープン時の運営サービスにも携わっている。

「日本橋という場所柄、おもてなしの機会に活用されるケースが多いと想定されるため、当然、最上級の接客とサービスが求められます。事前の計画・シミュレーションを徹底し、オープン3ヶ月前からスタッフ教育を積み重ね、しっかり準備を整えました。また事前予約にて来店される方が多いため、予約システムの構築と管理も対応しています」(同担当)。

こだわりぬいた本物の「食」「芸能」、そして、それを包む内装と、細部にまで行き届いたサービス。これらがすべて揃って創り出された「夢の宴」は、「福徳の森」の下で再び華やぐ瞬間を待っている。

  • 【事業概要】 本物の伝統芸能が堪能しつつ、飲食も楽しめる新感覚の劇場型レストラン&ラウンジ
  • 【施主】 株式会社 H.I.D INTERAQTICA
  • 【場所】 東京/日本橋
  • 【竣工】 2018 年3月~
  • 【業務範囲】 企画・デザイン 建築設計 施工監理 運営

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