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世界が注目する自転車ロードレース#01

ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム

PROJECT

ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
(2022年11月6日 埼玉県・さいたま新都心駅周辺)

01.「ツール・ド・フランス」で活躍した名選手が集結

2022年11月6日15時頃、世界中が注目する「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」メインレースのスタートフラッグが振られた。と同時に道路いっぱいに全52台の自転車が飛び出す。コース沿いには熱狂的な自転車ファンで黒山の人だかり。この光景は、さいたま新都心駅とさいたまアリーナを中心に1周約3.5kmにわたって広がっている。まさしく街全体がひとつのスタジアムといった様相である。

「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」は、世界最大の自転車レースと呼ばれる大会の名を冠したエキシビションレースのこと。その名の通り、その年の「ツール・ド・フランス」で活躍したトップライダーたちが出場し、観客はその走りを間近で観られるという世界の自転車ファン垂涎の大会だ。それが2013年から2019年まで、日本の埼玉県さいたま市で毎年開催されていた。

02.自転車ロードレースは綿密な計画が不可欠

「2020年、2021年はコロナ禍によって中止となっていましたが、2022年に3年ぶりに開催されるということで、今回からTSP太陽も協賛するとともに、会場設営と一部運営を担当することになりました」

今回、具体的にTSP太陽が施工を担当したのは、大きく①スタート=フィニッシュ地点周辺の造作物、②さいたまスーパーアリーナ内のステージや客席、③折り返し地点の造作物、そして④コース全体のフェンスやサイン看板など。

「スポーツ会場設営」というジャンルとしては、これまでゴルフやサッカー、テニスなどあらゆる競技会場の設営を手掛けてきたTSP太陽だが、今回初めて担当することになった自転車ロードレースは「かなり勝手が違った」と担当者は語る。

「まず自転車ロードレースは、サッカーやテニスなどとは違って公道を使う競技です。エリアが広く、かつ当日の作業時間は極めて制約的なので、膨大な人手が必要になります。だから準備には綿密な計画が不可欠でした。一周3.5㎞におよぶコースの現地調査から、図面の作成、協力業者の選定と打ち合わせなど、やるべきことはてんこ盛り。手を付け始めたのが5月くらいだったので、準備には半年くらいかけましたね」

コースのメインとなる県道56号線は、市内でも特に交通量の多い”街の大動脈”だ。それだけに、どこか一つでも間違えれば、街全体を巻き込む重大なミスに繋がりかねない。「準備にはいくら慎重に慎重を重ねても、まったく安心はできませんでした」と担当者は振り返るが、「特に生きた心地がしなかった時間でした……」と語るのが、本番当日11月6日朝の設営だった。

〈後編へ続く〉

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