RECRUIT採⽤情報
社員紹介
計画設計
中野 了一
設計担当として、イメージやグラフィックなどを図面に落とし込みます。予算や各関係者の想い、来場者の安全性、感動、数字では分からない人間の感覚など、すべてを考えて最善の形を導き出して、イベントの成功をもたらすのが私の仕事です。
学生時代から空間表現にずっと興味があって、バンドマンでもあったので音楽イベントに携われるような会社への就職を考えていたのですが、TSP太陽が手掛けた移動式コンサートホール〈アークノヴァ〉に衝撃を受けて、ここへの入社を決めました。今は計画設計部として、企画が作り上げたイメージやコンセプトを具現化する仕事をしています。
最近は某スポーツの世界大会の案件を担当していて、会場となる約6,000席の常設スタジアムに、約10,000席の仮設シート等を追加する仕事に取り組んでいます。スタジアムは震災の津波で流されてしまった小中学校の跡地に建てられたもので、復興のシンボルという強いコンセプトを持った施設です。当然、市役所や組織委員会の皆さん、がそれぞれとても強い思い入れを持っています。一方で、その中でもそれぞれの思いや立場があり、ニーズを満たしていきながらも、来場者の安全性や快適性も確保しなければならない。とても身の引き締まる、やりがいのある仕事です。
関係者も多いので、立場や考え方の違いからどうしても摩擦やすれ違いなどが生じます。私ができるのは、設計のプロとして最善の提案をしながら、皆さんの「イベントを成功させたい」という共通した想いを束ねて、全体を調整することだと思っています。
自分のパフォーマンスを制限しない、かつ周囲に不快感を与えることない服装として、Tシャツ+ジャケットがお気に入り。
イベントって、形にするだけなら誰にでもできます。でも、そのクオリティーは特にイベントの知識のない人でもすぐに分かってしまう。専門知識が必要で複雑な建築物であっても、妥協はできません。私は必ず、来場者の目線を忘れずに設計することを心掛けています。構造上の言い訳なんて全部なしにして、見た人が「すごい」と思えるものをつくることが大事だと思うんです。
同時に、設計というのは人の命を預かる仕事だとも考えています。感動を与えながら、安全も確保するというバランスをとるのが、腕の見せ所ですね。
それを実現するのに必要なのは、「自分の中にいろんな物差しを持っておくこと」だと思っています。図面上、数値上でどんなに正しく見えても、実際に形にすると人間の感覚的に違和感を覚えるってことは、よくあるんです。例えば同じ2m幅の通路でも、周りの壁の高さが違えば広くも狭くも感じます。こういった意識をいつも忘れずに、快適な会場づくりをしていきたいと思っています。
最近は技術がどんどん進歩していて、会場パース図の代わりにVRやARを使ってお客さんにイメージを伝えるという方法も現実的になってきました。そういう新しい領域も先導しながら、TSP太陽らしい圧倒的な会場づくりをこれからも提案したいです。
同じ設計士である父からのプレゼントであるレーザー測定器とコンベックス(巻き尺)は、平面図や数字だけでは分からない現場の「人間の感覚」を計るうえで欠かせないアイテム。